
笑う機会の少ない人たちに「元気と笑顔」を届けるために、自ら思い立って、介護施設や病院などを巡る「ボランティア落語」を始めた笑福亭鶴笑師匠。その活動に共感した日本フィランソロピー協会がサポートし、王子ネピアが協賛して、日本全国を巡る「ボランティア落語会」になりました。
さらに2016年度からは、鶴笑師匠の活動に賛同した9人の芸人が加わり、「全日本おむつ団」を結成し「ボランティア演芸会」としてパワーアップしました。
お年寄りの中には、笑いを忘れてしまったかのように、笑わなくなった人って意外と多いんです。
そうすると、顔も表情も硬くなっていたりします。
そういう人に落語を聞いてもらうと、顔の表情が柔らかくなるんです。施設の職員さんも、すごく
笑っていたと言います。
笑いというのは、立派なリハビリだなと思います。心のリハビリ、心のマッサージです。
公演の最初に声を出してもらったり、拍手したり、体を動かしてもらうこともあります。
大きな声を出したら発散できるのはもちろんですが、実はこれ、笑うための準備体操なんです。
しばらく笑っていないと、なかなか笑えないから体をほぐすんです。
だから僕は、〝お笑い介護福祉士〟みたいなものです。そんな資格ないけど、僕のやっているのはお笑い体操みたいなものかもしれません。
これからは、声をだして笑えるというような体操メニューを開発したいですね。
落語を聞いたら、元気になって笑顔になって会話もはずみます。そういう笑いの効果に、職員の方が気づいてくれたら嬉しいです。もしうちの施設には笑いが足りないなと感じたら、取り入れてみてはどうでしょう。
僕のマネしてくれていいんですよ、〝チャラリ~〟とか言うて。笑いが必要だとわかったら、施設のテレビでお笑いの番組をみんなで見ようかということでもいいんです。
デイサービスを利用している方のご家族には、笑いを家庭の中に取り入れてもらってもいい。そうして笑いがリレーのようにどんどん広がっていくと嬉しいです。
ボランティア落語をやることで、そういう〝笑いの種〟を全国各地にまいていけたらいいですね。これが今後の大きな目標です。


- 高橋
- 王子ネピアさんと協力して開催しているボランティア演芸会は、2013年にスタートして以来、ずっと続いていますね。
- 当社
- お陰さまで、全国の施設の皆さまに大変喜んでいただいています。
- 高橋
- ネピアさんは社会貢献活動にとてもご熱心ですね。
- 当社
- はい。特にこのボランティア落語会は、全国の支店の社員が施設の方と協力して会場設営と撤去を行い、師匠と一緒に頑張っています。
- 高橋
- 「笑い」の種を届ける現場に社員が立ち会うのは意義があります。
- 当社
- 開催希望をたくさんいただいているのに回りきれないのが現状ですが、鶴笑師匠の志を社員みんなでずっと支えていきます。