笑福亭鶴笑ボランティア落語会

ネピアテンダー
目標は1000ヶ所!100歳になっても続けたい!
笑福亭鶴笑「ボランティア落語会」とは
開催希望 受付中! 鶴笑師匠があなたの施設に伺います。

笑福亭鶴笑師匠スペシャルインタビュー ボランティア落語は僕のライフワークです PDF版をダウンロード

笑う機会の少ない人たちに「元気と笑顔」を届けるために、自ら思い立って、介護施設や病院などを巡る「ボランティア落語」を始めた笑福亭鶴笑師匠。
その活動に共感した日本フィランソロピー協会がサポートし、王子ネピアが協賛して、日本全国を巡る「ボランティア落語会」になりました。
ボランティアはライフワークだと熱く語る人間・鶴笑の志と、笑いの秘密に迫るインタビューをお届けします。

笑福亭鶴笑師匠に聞く

笑福亭鶴笑さんが、ボランティア落語を催した介護施設では、不思議なことが起きる。
 ずっと車椅子を利用していた人が笑った拍子に立ち上がる、笑わなかった人が笑う、杖をついて会場に来た人が杖を忘れて帰ってしまう……。
「〝笑いの力〞がそうさせたんでしょうね。笑いには人を元気にする力がありますから」
 そう語る鶴笑さんが、「笑いの力」に気づいたのは、1995年の阪神淡路大震災だった。
「地震後しばらくして、被災者に笑わせてほしいと頼まれたんです。被災者が避難する体育館で落語をやらせてもらうと、地響きみたいな笑い声が湧いてきた。おばちゃんから〝ありがとう〞と握手されたり、おっちゃんは前向きに行こうとみんなに声をかけているし、笑いにはすごい力があるのだと知りました。それ以来ボランティア落語をするようになったのです」
 鶴笑さんは、関西を中心に活動しているため、耳なじみがない人もいるかもしれないが、笑福亭仁鶴さん、鶴光さん、鶴瓶さんなどは松鶴一門の兄弟弟子になる。
大阪のお笑いの殿堂「なんばグランド花月」の高座にあがり、850人以上の観客を沸かせる。

笑福亭鶴笑師匠に聞く

客層に合わせてネタと構成を調整

そんな実力派の鶴笑さんが、11年の東日本大震災後の重苦しいムードを明るくしたいと思い、1年間で100カ所の施設でボランティア落語をしようと決心。
大阪中心に、たった一人で100カ所訪問を成し遂げた。
「最初は苦労しました。普通に落語しても笑ってもらえませんから。自分の芸を単に見せるというより、その日集まっている人の年齢や、お年寄りの病状などを観察し、また反応を見極めながら、話すスピードや、披露するネタなど構成を少しずつ変えていきました。
 お年寄りというのは、落語家が嫌々来ているのか、本気で笑わせようとしているのかを直感で見抜いてしまう鋭さがあります。話芸とかテクニックだけでは通用しない。心と心が通じて初めて芸が成り立っていくようなところがありますね」
 会話する、手拍子をしてもらうなど、参加してもらいながら一緒に笑いの空間をつくることを心がけているという。

笑いは人と人との壁人種の壁を越える

一般的に、目や耳が不自由な方に落語は不向きと思われがちだが、鶴笑さんの手にかかれば、たちまち笑顔がこぼれる。
その秘密は、紙切り、マジック、パペット落語など、芸の豊富さにある。
「目が不自由でも紙切りした作品を触ったり小咄を聞いたりすれば想像できるし、耳が不自由でもゴジラ対モスラをパペットでやれば楽しめます」
 鶴笑落語の真骨頂といえば、このパペット落語。両脚と片腕で操るゴジラと、もう一方の腕で操るモスラが、互いにパンチを繰り出す大激闘を、迫力満点で繰り広げる。
 パペット落語の原点は、鶴笑さんの母親が教員時代に使っていた腹話術の人形。漫才ブームの谷間で落語人気が低迷したときに捨て身で試すと大ウケに。オリジナルのパペット人形をこしらえて、独自のパペット落語をつくりあげた。
「人形はすべて手作りです。親しみも湧くし、魂がこもるんです」

稽古場には師匠手作りの手が入るものや全身を使って動かすもの、さまざまな人形がある

実績が認められて児童福祉文化財に

パペット落語は海外でも人気を呼んだ。トルコ大地震の被災地を始めドミニカ共和国やハイチ、イラク、アフガニスタンなど、政情不安な国でも落語会を行ってきた。
「世界には笑わないで育つ子どもがたくさんいて、そういう子たちに笑顔を届けたかったのです。笑いというのは、人と人の壁や、言葉や人種の壁を越えさせてくれる。笑えば夢がでてくるし、子どもが未来を見るきっかけになれば嬉しいです」
 昨年秋、鶴笑さんのもとに朗報が届いた。パペット落語が厚生労働省社会保障審議会推薦の児童福祉文化財に認定、さらに特に優れた作品だけが表彰される特別推薦を受けることになったのだ。
 ボランティア落語や、親子で楽しめる舞台「こども劇場 おやこ劇場」など、これまでの多彩な活動が認められたのだ。
「文化財だから〝拝観料〞いるの? と聞かれるけどいらないですよ(笑)」
 国に認められたことで、所属する吉本興業も功績を評価し、受賞記念公演を催す話もある。さらに人形作りにも変化が。
「嫁はんと娘が人形作りを手伝ってくれるようになったんです。ちゃんとしたものをお見せしないと失礼やというわけです。嫁はんは僕なんかより几帳面ですし、大学生の娘は、パソコンでデザインしてくれてます。新作のゴジラ、モスラは両方、家内制手工業で作りました」
 ボランティア落語はライフワークだという鶴笑さん。今後も全国を巡る。

2014年、アフガニスタンの難民キャンプで慰問公演。笑顔とともに支援物資も届けた 
2010年、イラクの難民キャンプで出前寄席。子どもにもわかりやすい紙切りやパペット落語で笑顔をひきだした
半生を綴った師匠の著書 『世界は広くてせまくて、やっぱり広い ~お笑い海外武者修行記~』笑って泣ける名著!

ボランティア落語会レポート

鶴笑さんのボランティア落語は日々進化している。小咄、南京玉すだれ、紙切り、マジック、パペット落語など、3〜4人分の芸を一人で、テンポよく披露していく。
「このほうが皆さん飽きないですね。1時間じっと人の話を聞くのは、お年寄りにはしんどいものなんです。でもこうすると反応がいいんです」
公演中、施設の職員がカメラを手に撮影している様子を見ていると面白い。もちろん鶴笑さんも撮っているのだが、ほとんどの場合、カメラは利用者に向けられている。

笑顔と元気届ける落語会を支援

「面白いでしょ。利用者が笑っているところを撮って、ご家族に見せるらしいです。するとすごく喜ばれるそうですよ」
 若い人のように大きな笑い声が上がることはなくても、みんな笑顔になっているのだ。
「声を出して笑えるのは元気なお年寄りだけ。病気の方などは笑っていても声が出にくいんです。心では笑っているけど、表情が硬くてわかりにくい人もいる。でもそれがわかってきたから、高座で焦ったりしません。
 どんな施設に行っても動揺せずにできるようになったのは、全国を回らせていただき場数を踏ませてもらったお陰です」
 王子ネピアが、鶴笑さんの全国キャラバンを支援するようになったのは、たった一人で100カ所の施設を回った活動に共感したからだ。「寄席に行きたくても行けないお年寄りに〝笑顔〞と〝元気〞を届けたい」という鶴笑さんの思いをバックアップしたかった。
 ボランティア落語がどのように開催されるか、その流れを紹介しよう。
 まず、施設の開催希望日と鶴笑さんのスケジュール調整を行う。
 落語会に必要な道具(定式幕、座布団、CDラジカセ、演者札など)は、事務局が用意し、会場の設営や撤収なども、ネピアの支店スタッフが施設に出向いて、てきぱきと進める。

小噺で皆さんと目を合わせながらテンポなどを調整
笑いをとりつつ紙切りを披露。皆さんの感嘆の表情に師匠も笑顔
鶴笑ワールドに引き込まれ笑いすぎてしまう
笑いの渦に包まれあっという間の60分

1時間前に着替えの入った小さなトランクを持った鶴笑さんが会場に到着。羽織袴に着替えて、出囃子が流れたら本番の始まり。多彩な芸がノンストップで展開され、笑いの渦が巻き起こる。
「落語会が終わったら、『ご苦労さま』とか『ありがとう』とねぎらってくれる。施設によっては、握手したり、写真を一緒に撮ったりしてふれあったりとか。落語を聞きに来られなかった人を見舞いに、お部屋に伺ったこともありました」
 認知症の人が、鶴笑さんが帰ってから、「鶴笑、面白かったな」と繰り返していたという話を聞いたことがある。
「こういう一つひとつのふれあいが嬉しくて。寄席では経験できませんから。
心と心のふれあいこそがボランティア落語なのでは。僕の心の栄養にもなっています。 だから続けられるんです」
 目標は1000カ所。「100歳になって、自分が介護施設に入ってもやるつもりです!」

いよいよクライマックス。 パペット落語「時ゴジラ」を熱演
終わると「楽しんでもらえましたか? ありがとうございました」と声をかける

日本全国に笑いの種をまきたい!

お年寄りの中には、笑いを忘れてしまったかのように、笑わなくなった人って意外と多いんです。
そうすると、顔も表情も硬くなっていたりします。
そういう人に落語を聞いてもらうと、顔の表情が柔らかくなるんです。施設の職員さんも、すごく笑っていたと言います。
笑いというのは、立派なリハビリだなと思います。心のリハビリ、心のマッサージです。
 公演の最初に声を出してもらったり、拍手したり、体を動かしてもらうこともあります。
大きな声を出したら発散できるのはもちろんですが、実はこれ、笑うための準備体操なんです。しばらく笑っていないと、なかなか笑えないから体をほぐすんです。
 だから僕は、〝お笑い介護福祉士〟みたいなものです。そんな資格ないけど、僕のやっているのはお笑い体操みたいなものかもしれません。これからは、声をだして笑えるというような体操メニューを開発したいですね。
 落語を聞いたら、元気になって笑顔になって会話もはずみます。そういう笑いの効果に、職員の方が気づいてくれたら嬉しいです。もしうちの施設には笑いが足りないなと感じたら、取り入れてみてはどうでしょう。

 僕のマネしてくれていいんですよ、〝チャラリ~〟とか言うて。笑いが必要だとわかったら、施設のテレビでお笑いの番組をみんなで見ようかということでもいいんです。
 デイサービスを利用している方のご家族には、笑いを家庭の中に取り入れてもらってもいい。そうして笑いがリレーのようにどんどん広がっていくと嬉しいです。
 ボランティア落語をやることで、そういう〝笑いの種〟を全国各地にまいていけたらいいですね。これが今後の大きな目標です。

皆さんを笑顔にしたい ボランティア落語会 2012年スタート ただ今210カ所
王子ネピアさんのCSR活動は素晴らしい 公益社団法人日本フィランソロピー協会理事長 高橋陽子さん
師匠の志をずっと支えたい 王子ネピア株式会社 代表取締役社長 清水 紀暁
高橋
王子ネピアさんと協力して開催しているボランティア落語会も、3年目に入りましたね。
清水
お陰さまで、全国の施設の皆さまに大変喜んでいただいています。
高橋
ネピアさんは社会貢献活動にとてもご熱心ですね。
清水
はい。特にこのボランティア落語会は、全国の支店の社員が施設の方と協力して会場設営と撤去を行い、師匠と一緒に頑張っています。
高橋
「笑い」の種を届ける現場に社員が立ち会うのは意義があります。
清水
開催希望をたくさんいただいているのに回りきれないのが現状ですが、鶴笑師匠の志を社員みんなでずっと支えていきます。

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